マサナリおじの話 「野茶坊の話」
野茶坊は、小さいときは「坊」と呼ばれていたんだ。
大きくなると力持ちになって、漁が終わった後手伝いに行って、船を片方の手で担いで歩きながら、もう片方の手で獲れたヤチャ(かわはぎ)を盗っては足元に投げ、足で砂の中に隠したんだ。盗人だな。それから「野茶坊」って呼ばれるようになったんだ。
あるとき、スィストウソン(清 當済)が野茶坊を山に追い込んで、山に火をつけたんだ。野茶坊はうまく逃げ出して加計呂麻に渡って山に腰掛けて、「自分(野茶坊)を焼かずに、山焼いた!」と笑ったそうだ。
これは本当のことかどうか知らないよ。でも、こうやって年寄りから話を聞いてきたんだよ。