人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「西阿室長寿音頭」をご紹介します!

「西阿室長寿音頭」をご紹介します!_e0028387_16532180.jpg
10月18日、北海道の伊藤さんと西阿室を訪ねたときに、この音頭を作詞した川上さんと知り合いました。そして、いただいたのがこの音頭のテープと歌詞。
「西阿室長寿音頭」をご紹介します!_e0028387_16534394.jpg

すばらしい夕陽の後なので、1番の歌詞が光ります。また、何度もこの集落を訪れていますから、2、3、4番の歌詞も身内のように「がしど、がしど」と共感しちゃいます。

ご紹介しましょうね。

『西阿室長寿音頭』
  唄   田村美和子
  作詞 川上俊智
  補作 松元幸一郎
  作曲 櫛下卓志

1 茜黄金色(あかねくがね)ぬ 立神様は
  しまぬ宝じゃ 我等家(わきゃや)ぬ守り
  くぅまや我等(わきゃ)しま くぅまや我等(わきゃ)しま 情(なさけ)ぬしまよ
  ※ 今宵(よぅね)や 踊(うどぅ)らんば 夜長(ゆなが)とぅ 踊(うどぅ)らんば
     ソーレソレソレー ソーレソレソレーソレ西阿室

2 沖(うき)や凪凪(とぅりぃどぅりぃ) 潮時(しゅうどぅき)ぬ来(きゃ)おた
  鰹(かそ)にアハズゥミ 今日(きゅう)だか大漁
  くぅまや我等(わきゃ)しま くぅまや我等(わきゃ)しま 漁師(いしょしゃ)ぬしまよ
  ※ 今宵(よぅね)や 踊(うどぅ)らんば 夜長(ゆなが)とぅ 踊(うどぅ)らんば
     ソーレソレソレー ソーレソレソレーソレ西阿室

3 宮里(ぐり)ぬ御山(みやま)ぬ 御月様(うづき)ぬ美(きゅら)さ
  今日(きゅう)や十五夜 豊年祭り
  くぅまや我等(わきゃ)しま くぅまや我等(わきゃ)しま 労働(きばりゅ)んしまよ
  ※ 今宵(よぅね)や 踊(うどぅ)らんば 夜長(ゆなが)とぅ 踊(うどぅ)らんば
     ソーレソレソレー ソーレソレソレーソレ西阿室

4 汝等(なぁきゃ)白寿(はくじゅ)で 我等(わきゃ)九十九(つくも)
  共に白髪(しらが)ぬ 艶々(つやつや)光る
  くぅまや我等(わきゃ)しま くぅまや我等(わきゃ)しま 長寿(ちょうじゅ)ぬしまよ
  ※ 今宵(よぅね)や 踊(うどぅ)らんば 夜長(ゆなが)とぅ 踊(うどぅ)らんば
     ソーレソレソレー ソーレソレソレーソレ西阿室

<語句説明>
☆「茜黄金色(あかねくがね)ぬ 立神様は」=立神を茜黄金色に染めて水平線に沈む神々しいまでの夕陽の情景。西阿室の夕陽は奄美八景の一つで夏場には多くの観光客が訪れる。

☆「立神」=西阿室湾に浮かぶ巨岩石。しまの守り神として崇められている。
☆「ぬ」=標準語では「の」。助詞。

☆「我等家」=西阿室集落全体を指す。
☆「くぅま」=此処。

☆「や」=標準語では「は」。助詞。
☆「踊らんば」=踊らなければ。

☆「夜長とぅ」=夜を徹して。
☆「潮時ぬ来おた」=魚が釣れる潮時が来ました。

☆「アハズゥミ」=魚名。和名「スジアラ」。真っ赤な魚体に灸のあとのような斑点がある。1メートル以上に成長する。高級魚で美味。クエの一種。
☆「今日(きゅう)だか」=今日もまた。

☆「漁師」=磯者に通ず。海の幸を獲得することが上手な人。
☆「宮里ぬ御山」=通称宮里山(ぐりやま)。神の山として恐れられ昔は、入山する人はいなかったが、近年頂上に展望台が設置され、多くの観光客が訪れ夕陽の写真等撮っている。

☆「白寿」「九十九」=白寿と九十九は同年齢である。「あなた百まで私は九十九」に習って「百寿(ももじゅ)」にしたらどうかの意見もあったが「白寿」のほうが語感が良い。お互い同じように歳を重ねて元気で長生きしましょうと言うこと。

●田村美和子=奄美新民謡の第一人者。川上の母方の親戚。※新民謡とは、昔から歌い継がれている島唄と違い、演歌調で歌詞も殆ど標準語。有名な「島育ち」はその一つ。
●松元幸一郎=川上の高校の同級生。ポン友。元教師。自称売れない詩人。酒飲み。
●櫛下卓志(くしげ たかし)=松元の元同僚音楽教師。75歳。鹿児島市在住。

すでに振り付けもされていて、西阿室「若松会」の婦人の皆さんが今年披露されたそうです。夕陽の写真は、宮里山から写したものです。
by amami-kakeroma | 2006-10-22 16:42 | その他