「チップ工場」説明会 その1
司会
今日はチップセンターの件で業者さんに来ていただいて説明いただけるということでよろしくお願いします。
地元
瀬武の方でユンボを入れて工事されているということで、一体何が始まるのかと知り合いにも聞かれるので、これは瀬武だけの問題ではないのではない、島民みんなに関係することではないかと声をかけてこれだけの人が集まってくれた。
最初にどういう計画でどういう理由で内容で始めるかを教えて下さい。
大東
金曜日のお忙しい時間に多数お集まりいただきありがとうございます。
ご紹介いただいたとおり、私どもがこの素晴らしい加計呂麻島でチップ工場を作るにあたって、こちらからうかがってご挨拶・ご説明を申し上げるべきところをこうしてご参集いただいたことは、申し訳なく思っております。申し訳ございません。
これから私どもがしていきたいと思っていることをひとつひとつご説明してまいりたいと思います。
ひととおりご説明した後、質疑応答に入り、質問にお答えして行きたいと思います。
では、資料の方を見ながら説明して行きたいと思います。 (参加者には配られていません。)
最初に私どもの会社は大東海運産業と申しまして、1966年に屋久島の地で工場を始めたのがスタートでございます。現在も屋久島の地ではチップ工場をやらせていただいておりまして、それとともに船を120隻ほど所有させていただいており、これは貨物船で、現在運航させていただいてます。
その中で、日本のチップ業界というものがこの2、3年、かなり見直されていまして、何故かと言いますと、中国をはじめ東南アジアの方で紙の需要が高まり、日本向けに輸入材が入ってこなくなった。日本の国産のチップ材が見直されつつある。
その中で屋久島の中でチップ業をさせていただく中で、もっともっと生産量を上げたいということから、どこかこういうチップ工場ができるところはないかといろんなところを探しておったところ、以前この奄美の地に6社程工場があったということを耳にしまして一度観てみようかということで、去年の9月から市場調査をさせていただいたところ、加計呂麻という素晴らしい山を持つ島で、是非私どもの考えを島民の皆様がご理解いただければ素晴らしい工場ができるのではないかと現在計画を進めているところございます。
まず、チップというものからご説明させていただきますと、紙の原料ということで言えば広葉樹針葉樹を問わず木を細かくチップ状に粉砕しまして、それを紙に変えるということで、私どもの工場では木を伐採したものをチップの機械に入れて細かく砕くという作業で、それを弊社の所有する船で製紙メーカーに納めるということがチップメーカーの主な仕事の内容になります。
(中略)
私どもが調べる中に、加計呂麻島の山林の面積が約6100ヘクタールありまして、このうち1700ヘクタール程は是非皆さんご協力のもとであるますが伐採可能な山林ではないかと。この1700ヘクタールをもし計画的に切っていきますと、約35年分の生産量が見込めるという素晴らしい山でございます。 (後で数字の訂正がありました。1700→2900ヘクタール)
弊社の方も以前から奄美大島の方に出入りしておりますけれども、この素晴らしい加計呂麻島がどんどん松くい虫の被害にあっていることを目の当たりにしておりまして、このまま放っておきますと松くい虫の被害が拡がり、山自体が死んでしまう。山が死んでしまいますと、山自体が持っております保水力も無くなり、台風が来ると倒れてしまうということで、この島にとって山にとってとても良くないことでないかと。
私どもができることと言えば、是非、皆様お持ちの山を切らしていただき、切ることに寄って松くいの被害を食い止めることができるのではないか。そうすることによって山は新しい松くいに強い木も開発されておりますので、そういうものによってこの加計呂麻の山を守るお手伝いができるのではないか、と考えております。
やはり山を切るということで、皆さん環境の問題についてご心配がたくさんあられると思いますけれども、伐採計画というものは、あくまでも県であったり町であったりいろいろな方のご指導をもらいながら進めてまいろうと思っております。
また、林道や作業土場(どば)より、赤土などの流出を防ぐよう対応していきたいと思っております。
また、伐採現場の材の搬出には集材機という機械を用い、山肌を壊さないよう手段?をとろうと考えております。
それと海岸沿いや保護林、水源地等、その近辺は伐採はしないよう心がけていきたいと思っております。
それから県・町・林道から5mの範囲、山の尾根は災害を防ぐために伐採はいたしません、と考えております。
また、伐採完了後は作業土場等の自然回復ができるよう対策をとっておきたいと思っております。
山林と漁場との関連性もありますので、このあたりは森林組合さんや漁業組合さんといろいろな協議の上、作業は進めて参りたいと考えております。
つきましては、弊社が皆様にご協力いただいたあかつきに、工場として地元への貢献としていたしましては、まず工場を起動させるためには最低工員が6名必要であります。プラス山を伐採していただく山師の方々を1組6名ほどを5組ほどお願いできればと思っております。こういった工員の方々や山師の方々は、地元の方を採用優先ということで、またあらためて皆さまにお願いに伺いたいと思っております。
現在、皆様がお持ちの山で、もし松くいの被害にあわれている木がございましたら、私どもの方で無償で引き取りさせていただきます。もし、そういったご相談等ありましたらお気軽にご相談いただけたらと思います。
それと、チップを切りますと、副産物として木の皮や鋸屑(のこくず)といったものが生まれてきます。こういったものは、地元の方、農業の方に堆肥として無償提供したいと考えております。
現在、屋久島の方でもさせていただいておるんですけれども、島の方で使わなくなった家電や廃車など弊社の方で回収用のコンテナをご準備しますので、こういったところに持ち込んでいただければ、毎月来るであろう船の方で処分させていただきます。
今申し上げたのがひと通りの弊社が加計呂麻の地でさせていただきたいチップ工場の概略でございまして、足早にかいつまんで説明させていただいたので、かなりご不明な点、分かりにくかった点いろいろあると思いますので、皆様の方からご質問頂戴できればそれにお答えいたしたいと思います。
(その2に続く)