「ウラ」の語源探し
同じ伊仙町内で、鹿川一つを境に阿三以東は、大島の瀬戸内方面同様ウラ(お前)だのに、阿権以西は西犬田布部落を除いては全部名瀬方面や、徳之島の他町同様イァーという。
とありましたよ。
「ウラ」の原語については以下のとおりでした。
第6章 古語や文章語がそのままか、或は転訛してわれわれの方言中に生きている語
「ウラ」
お前 同輩以下に対する対称代名詞 原語は古語おのれ(我)でこのおのれがこなた(此方)やおのさま(己様)同様対称のお前の意にも用いられるようになったものと思う。試みに大言海を見ると、
(1)おのれ (イ)自称代名詞 我 (ロ)対称代名詞にも用いる。
(2)おれ (イ)おのれの略 自称の代名詞 (ロ)爾(ナンジ)己(オノレ)を略して対称に用いたるなるべし。対称の代名詞 汝の意
(3)うれ 対称の代名詞 おのれの転 己の意なるが呼びかくる声となりしなり。
(4)うら 代名詞 おのれ→おれ→うれ→うら と転じたる語 自称の代名詞 我
などと説明されている。
また、昭和59年発行の『奄美大島のことば 分布から歴史へ』(柴田 武氏編)の「奄美大島原語地図」では、大和村と住用村の北部以北がイャー、宇検村と住用村以南がウラときれいに分かれていました。