「チップ工場」説明会 その2
地元
皆様の方からご質問あるでしょうか。
それでは、伐採した場合、被害として、サンゴとか海のプランクトン、小さい魚とか、崖崩れ、そういうのは事前に防ぐことができますか? そういうのは行われますか?
大東
私どもは屋久島で50年やってきております。その中で、ま、自然遺産の島で、そういう事例は雑木の場合は無いです。針葉樹の場合は、松の場合は根が横に張っていないんです。立根(縦根?)ですから、今のままでも崩れる可能性があると思います。
地元
それは自信を持って言えるんだったら、ちゃんとした「補償」というものは出来ますか?
大東
今まで前例というものが・・・
地元
前例でも、これから起きることはどうなるのかは分からないと思う。島の住民が一番心配しているのは、島民の水やと思う。それが途絶えたりするのは水脈が山のどの部分にあるというのが、それは誰にも分からない。このことについて調べたんですけど、山の裏側を切っても水が出ないという例があるものですから、それは調査をして切るもんやろか?
大東
今、加計呂麻の問題として水対策が一番なんかしているようです。その中でダムを作ろうという話もあるみたいです。したときにですね、ダム・・・、今、山自体が老木なんですよね。保水力というものが無いんです。そして草木が生えて、木が生えて・・・。
(地元とマイクで拾えないやりとりあり。)
地元
老木といったって、この島は3、40年前に木を切って、みんな木が新しい。
大東
木の、雑木の寿命というのは20年から25年だそうです。
地元
だそうです、ですか。
大東
屋久島に行ってもらってみれば分かりますけど、屋久島の山っていうのは上から下まで見えるんです。山に降った水はですね、草木が無いもんですから、結局、一時的に雨が降ればザーッと出るんですよ、川が。でも、雨が降らないときは全然水はあります。
地元
聞いた話では、松くい虫(の木)を重点的に切ると聞いたんですが、ゆくゆくは、松くい虫(の木)は根っこまで腐っていますよね。あれはチップ材としては使用できないでしょう? 要は、残っているのは主にシイの木ですよね。その木を切るということは、この島は切った分は人間の頭に例えるとハゲ山になるよね。
大東
うちらの試算では35年は大丈夫だろうと。うちらもこの投資するわけですから、そこそこの年数が無いとコスト割れですから。合わないワケですから。そういうところには作らないつもりでいますけどね。
ただですね、25年、30年になった若木は、宇検村あたりを見てもらえば分かりますが、1年たったら約1mは大きくなります。木の芽から出たりする。今、奄美の山を見ていけば何十年も切っていない。山の尾根の上の方が腐ってですね、そこから水が入って山で腐れる。腐ったヤツは再生はしません。
だから、熟成した木ですかね、25年、30年、今まで奄美でチップ工場をやってましたから見てますけど、30年なった木は瀬戸内町から名瀬に抜ける道路脇は、恐らく30年、40年なっていると思う。
30年、40年なれば、あんなになるんですよね。一ぺんは切ったわけですから。
地元
大島の真ん中は一回も切ってないけど立派ですよ。
大東
間伐をされるからですよ。
地元
原始のまま、その方が立派です。
大東
そうですか。
だけどですね、うちらの屋久島は、屋久島と徳之島は工場やってましたけど、昔のままのところは枯れて行ってますよ。
地元
例えて言ったら、瀬武の山には立派な椎の木がありますよ。(不明)あの木も切るんですか。
何でかと言うと、去年の1月に加計呂麻島というのは「(にほんの)里100選」に選ばれましたよね。その中で一年もたたないうちに自然の破壊というんでしょうか、どのように考えていますか?
大東
うちらとしては、自然の破壊というより再生、山の再生なんです。
国の方針がそうなっていますから。営林署の方も、今までは保護というのは何も手を入れないのが保護でした。だけど今は、去年、一昨年頃からいろいろ変わりまして、手を入れてます。
証拠に、うちが屋久島で50年間やって、自然遺産の島で50年間やれるということは、何も無いからやれるのであって、非常に、屋久島では反対にその昔の古い山は切って下さいという意見になってますね。それはお宅なんかが調べてもらっても分かります。
屋久島という島は鹿の多い島で、鹿が届く範囲に餌が無いんです。山の中に。それが民家に下りてきてミカンとか野菜とかみんな食べてます。屋久島の畑は2m50位の電気柵を張っています。それを帰すには、山の木を切って新芽を吹かせて餌場を作ってやればそこに帰ると、今、そういう風になってます。
(その3に続く)